ペリー・エリス(Perry Ellis, 1940年3月3日~1986年5月30日)
現代アメリカのファッションスタイルの確立に貢献したもう一人の人物が、ペリー・エリスです。
エリスは、大学では小売業や経営の学位を取得していて、デザインについて学んだことはありませんでした。
しかし、大学卒業後にデパートのリテイル部門の担当になり、そこでバイヤーとして、また小売業者としての経験を充分に積みます。
その後、スポーツウェアの会社「ジョン・メイヤー」に移り、そこで「ヴェラ・カンパニー」からデザイナーとしてのオファーを受け、1976年に初めて自身のコレクションを発表したのです。
いち商売人で、デザインについて知らないはずの人間が、何故デザイナーとして成功したのでしょうか?
実際に彼は、スケッチの描き方すら知らなかったといいます。
しかし、彼の最大の武器は、マーケティング能力だと思います。
デパートで働きながら、顧客が何を求めているのかを注意深く見てきて、それを形にしたら、あっという間に売れるようになったのです。
エリスの作る洋服は、アメリカの女性が求めていた、スポーツウェアの快適さに加えて、カジュアルなスタイリッシュさも持ち合わせていました。
実業家として、顧客のニーズに応えるべく洋服を作り、アメリカン・スタイルを確立したのです。
彼は自身のブランドを設立して業績を伸ばし、1986年にエイズで亡くなるまで、その売上は伸び続けていたということです。