ブランドの複合企業化
経済用語に「コングロマリット」という言葉があり、「複合企業」という意味を持ちます。
その実態は、ジャンルを問わずあらゆる産業に参入している企業のことで、1つのグループを形成しながら、その子会社にアパレル部門があったり、食品部門があったりします。
1990年代に入ると、ファッション産業では、各メゾン・ブランドがそれぞれの力で事業を立ち上げても、コングロマリットの中に買収されて吸収されることが多くなりました。
例えば、クリスチャン・ディオールやダナ・キャランは同企業の傘下にいて、トップには「LVMH」というコングロマリット総本山があります。
LVMHはそのほかに、マーク・ジェイコブズやジバンシィを傘下に収めています。
LVMHの場合は多ジャンルの企業を抱えていますが、ファッションだけに絞って買収を進め、企業の巨大化を図ったグループも多くあります。
フランスにはRichemontやPPRという複合企業、またアメリカにはPVHという複合企業が存在し、それぞれ多くのブランドを擁しています。
各ブランドは吸収合併されることで、より多くの資金を得ることにも繋がり、また企業経営の母体を親会社に任せることで円滑な経営が成されるようになるというメリットがあるようです。
勿論、グループ化にはディメリットもあるのですが、世界のファッション市場は急速にグループ化していき、また巨大ビジネス化していくことになります。