ボディコンとパワードレス

テレビドラマでもう一つ特筆すべき流行が生まれたのは、「ダイナスティ」でのことです。

このドラマは1981年~1986年まで続いたメロドラマですが、そこに出てくる二人の女性主人公が、肩パットの入った「パワードレス」を着こなしたことで、全米でパワードレスブームが起きました。

現在では、レディースジャケットには最低限のパッドしか入っていませんが、当時のジャケットには、肩のラインが直角で、勇ましく見えるほどパッドが大袈裟に入っていました。

その男前ともいえるスタイルが、自立した女性の象徴としても見なされ、当時の女性たちに人気を呼んだようです。

一方、女性の体のラインを強調する「ボディ・コンシャス」のスタイルも新たに登場しました。

この火付け役は、フランスのデザイナー、アズディン・アライアです。

アライアがプレタポルテで発表したタイトなドレスが一世を風靡することになり、日本でも「ボディコン・ブーム」が起こりました。

パワードレスとボディコンシャスなドレスに共通して言えることは、女性が洋服に対してより自信を持つようになり、双方とも「セルフ・コンシャス(自意識)」を表現する手段として存在したことです。

女性の強さや美しい曲線を強調したスタイルは、フェミニズム文化の象徴的な存在になりました。

この時代以降、女性は自身をより具体的に表現するために、あらゆるパターンのスタイルを提案していきます。

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